ナガセヴィータ株式会社(旧 株式会社 林 原)

「人を大切にする」社風が育休取得を後押し

2025.09.04

ナガセヴィータ株式会社

住所:〒700-0907 岡山県岡山市北区下石井1-1-3 日本生命岡山第二ビル新館
電話:086-224-4311

1883年に水あめ製造からスタートした当社は、自然の恵みである微生物・酵素の力を自然由来の原料とかけ合わせることで、豊かな暮らしやサステナブルな社会の実現に貢献する素材を開発・提供しています。
※2024年 社名を(株)林原からナガセヴィータ(株)に変更。

プロフィール(左から)

S.N.さん 生産部門 岡山第一工場 製造二課所属(三交替勤務) -1児のパパ-

S.O.さん パーソナルヘルスケア部門 運営管理部 製品管理課所属(課長) -2児のパパ-

N.S.さん 管理部門 人事総務部 人事課 -2児のママ-

交代勤務者も管理職も育休を取得

―直近5年間で男性の育休取得率が飛躍的に伸びています。

N.S.

厚生労働省が公表した次世代育成支援対策推進法(次世代法)に基づき2021年にナガセヴィータにおいても行動計画を策定しました。当時0%だった男性の育休取得率を2年間で10%以上にという目標を掲げました。相談窓口の設置、男性社員向けのリーフレットの作成や、男性が育休を取得するメリットについての社内セミナーの開催も効果があったと思います。

―その後男性育休取得率は64%まで向上しましたが、S.O.さんS.N.さんの育児取得がよいきっかけになったのではないでしょうか。

S.O.

私は課内で「育休を取ります」と皆さんに宣言しました。その時に理解を示して快く受け入れていただき、前向きな反応が得られる職場環境がありがたかったです。

S.N.

私は2023年4月に1ヶ月ほど取得しました。それまでの製造現場では男性で育休を取る人はいませんでした。前例がないことなので上司には事前に相談しました。同僚からは温かい言葉をかけてもらうなど、心強いリアクションがありました。

―交代勤務ならではの課題や特別なサポートは必要でしたか?

S.N.

私の業務をカバーするために同僚が時間をずらして出勤したり、他の工程や部署から一時的に人員を借りることもありました。ある時は上長が現場に入ってくださいました。私は多くの方々の手助けがあって育休が取れたと感謝しています。

S..さんが育休から復職した時に不安はなかったですか?

S..

三交代勤務で1ヶ月休むことは今までになかったので、以前のように夜勤が自分にできるか、体や生活リズムが戻るかといった心配がありました。不安でしたが、復帰当初は朝から夕方までの勤務で調整してもらうなど配慮をいただきました。

―課内の様子はいかがでしたか?

S..

周囲からは「育休を取ってどうだった?」などと聞かれ、子どもとの過ごし方や慣らし保育の様子、とても充実していたことなどを話しました。また上司に子どもの迎えで時間休での対応をお願いしたいと伝えたところ臨機応変に対応すると受け止めてくださいました。この話も周囲に共有して「これからはこういう制度をどんどん活用していこう」と温かい言葉をかけてもらいました。

「人を大切にする」「いいものを作る」企業風土

―育児休業制度や子育て制度の円滑な活用には、企業風土も影響しているようですね。

S..

そうですね。現場では、人が代わったからといって業務に支障を来していては無駄やムラ等につながってしまいます。ですので、普段から誰でも対応できるように手順書をわかりやすく、見やすく整えています。

S.O.

育休を取る同僚が一人抜けたことで業務が回らなくなるような組織ではダメという気概があったような気がします。

N.S.

休み中にお互いの業務をカバーしあえるように、可能なかぎり担当業務を属人化せず共有しています。本人の判断によりますが、営業所では取引先に不便をかけないように、有休などの際は社用携帯を会社に置いて帰り、部署内で別の担当者が対応する体制も定着しています。

―各種制度の活用で問題や課題はありませんでしたか?

S..

社内規程を読んでみましたが育休制度については十分に理解できませんでした。育休取得を相談した上司も「何か特別なことをしなくてはいけないのか」と人事に確認していました。

S.O.

育休を取得するための手続きがわかりにくかったので、必要な書類や取得期間などについてN.S.さんがいらっしゃる人事課が設けた相談窓口で教えてもらいました。制度の周知や具体的な運用例の共有が、より利用しやすい環境づくりにつながると思います。

N.S.

この度、弊社が導入している制度を見返して、改めて男女関わらず育児をしながら仕事を続けていくための環境が整っている、働きやすい会社だと感じました。ありがたいと思います。

―課題が見つかった時に、固定観念にとらわれることなく「どうすれば解決できるか」「こうすれば仕事を回せる」といった経験を積み重ね、常によりよい環境づくりに取り組まれているとお見受けしました。お一人おひとりがそれぞれの立場で「人を大切にする」「いいものを作る」風土を体現されていると感じます。

より働きやすい環境の実現へ

―不妊治療と仕事の両立支援についても取り組まれています。

N.S.

導入には至っていませんが、不妊治療と仕事の両立も大きな問題になっています。通院が頻繁になるため年休が残り少なくなり相談を受けたケースもありました。そのような方たちが安心してお休みを取り、治療に専念できる環境を整えられるよう検討しています。

―育児休業の取得とは異なる問題や課題がありそうです。

N.S.

男女ともに周囲に知られたくない、上司にもあまり言いたくないというプライバシーの問題があるので、理由を伝えなくてもお休みが取れるようになればと考えています。またスケジュールを確定しづらいことによる急な対応、人員の補充も課題と捉えています。

―今後は介護に関する制度や支援の拡充も必要になります。

N.S.

介護も育児同様に大きなテーマです。50代の管理職の方が親の介護のために急に辞めざるを得なくなったという他社の話を聞きました。そういった時に辞めないで続けてもらえるような体制は必須と認識しています。

未来の育休取得者へ、先輩からのアドバイス

―育休取得経験者ならではの助言をお願いします。

S.O.

第一子は2歳の頃に“パパイヤ期”がありましたが、第二子はほとんどありませんでした。この違いは第一子の時に育休を取らなかったため、もしかしたらそれが影響したのかもと個人的には考えています。育ての期間、特に子供が小さい時の時間はあっという間だと皆さん言われます。ぜひ育休を取ってもらい、このかけがえのない時間を大切にしてほしいです。

N.S.

育休中は、子どもの日々の成長を間近で感じられる貴重な時間です。育児は大変なことも多いですが、この何ものにも代えがたい時期を一緒に過ごしていただけたらと思います。

S..

三交替勤務の場合、育休を取ると絶対に同僚にしわ寄せがいくので、職場に対し申し訳ない気持ちが募る面もあると思います。だからといって育休を取らないことで家庭内に波風が立つ場合もあるかもしれません。何が自分の人生にとって大切なのかをしっかり考えて選択してもらえたらと思います。

―貴重な経験談をありがとうございました。育休取得を考えている方の不安解消や参考につなげてもらえればと思います。

ナガセヴィータ株式会社

住所:〒700-0907 岡山県岡山市北区下石井1-1-3 日本生命岡山第二ビル新館
電話:086-224-4311

1883年に水あめ製造からスタートした当社は、自然の恵みである微生物・酵素の力を自然由来の原料とかけ合わせることで、豊かな暮らしやサステナブルな社会の実現に貢献する素材を開発・提供しています。
※2024年 社名を(株)林原からナガセヴィータ(株)に変更。